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文学理論の本

文学、と言うか小説を読んで楽しむのはわかるけど、じゃあ文学研究って何をするの?という疑問を思い浮かべたことのある人は多いかもしれません。

文学研究の分野の1つに文学理論というものがあります。これに関する本を紹介していきます。

 文系不要とはいかなくても、文系は何をしているのか。はたまた文学部とは何なのか、と思っている人は多いかもしれませんね。文系は作者の気持ちでも考えてろ、とか言われたり、経済学部や法学部はイメージしても文学部は???ってなってますか。

 

文学理論の話の前に軽く文学部に触れておくと、大学のこういった学部では歴史、文学、語学、文化、哲学などが学べます。また大学によっては分かれていることもあるかと思いますが、社会学、心理学、メディア学なども含まれます。映画や漫画を研究したりもしています。文学部といってもみんなが文学を読んでるわけではありません。歴史だったり、心理学だったりをしていて小説なんて読んでない人もたくさんいるんです。

 

じゃあ文学部で文学の勉強するって何なの?と言いますと、好きな作品を読んだりして疑問に思ったことを調べる、つまり研究するという理解でいいと思います。作品の時代を考えたり、作者の一貫した特徴、文学同士の比較、小説の中のジェンダー、何でもいいわけです。要はアイデア次第なんです。

 

ここで文学理論に戻ってくるわけですが、文学理論というのは文学を批評するための理論、道具って感じです。文学について語るとき、例えばヘルマンヘッセの『車輪の下』をヘッセ自身の伝記として論じてもいいし、若者たちの青春小説と読んでもいいし、教育への批判書として研究してもいいわけです。こういう批評の理論が文学理論です。

 

ここでは文学理論自体の説明はしないので、興味があればぜひ本を読んでみてほしいです。色々な本の読み方ができて楽しくなるのですが、理論そのものが難しすぎて簡単には理解できないものもあります。私もこれから挙げる本を読みましたが、全然わかってないです。勉強が必要だと痛感しています。

 

批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)

批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)

 

 こちらはタイトル通りの批評入門書になっています。前半と後半に分かれていて、前半には小説の「視点」や「ストーリー」などのテクニックが紹介されます。そして後半にはメアリシェリー『フランケンシュタイン』を実例に様々な批評の種類を教えてくれます。つまりは文学を読むには異なる視点、考え方があって、そういった読みができることを教えてくれるわけです。値段と分量が手頃で、理論についても「フランケンシュタイン』に即して解説されるのでわかりやすく、オススメの一冊です。

 

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

 

 こちらは愉快な小説にして、文学理論解説書となっています。主人公は私立大学の独身文学部教授です。大学内で起こる人間関係や雑務に翻弄されながらも文学講義を小説内で行います。この講義がそのまま文学理論の講義となっていて、面白い講義を聞いているように学ぶことができます。文学理論パートはそこそこ難しいですが、そこは抜きにしても小説を楽しむことができます。

 

文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫)

文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫)

 
文学とは何か――現代批評理論への招待(下) (岩波文庫)

文学とは何か――現代批評理論への招待(下) (岩波文庫)

 

続いての本は二巻本で岩波文庫から出ているテリーイーグルトンの『Literary Theory』の邦訳版『文学とは何か』です。二冊なのでそれなりの分量があり、内容も難しいです。 しかし19世紀の英文学批評の誕生から、批評の歴史を重要な理論家とともに紹介され、この本一冊でしっかりと文学理論を学ぶことができます。また先に紹介した『文学部唯野教授』のネタ本なので、これを読んだ後に『文学とは何か』を読むと理解が深まります。多くの理論や人物に触れられていて、参考文献も大量にありこのあとの勉強の参考にもあります。ここからさらに好きな分野に進んでいくといいかと思います。

ただ文学理論は哲学やポストモダンの理論などと結びついていて難しいです。オススメしておいてなんですが、私もフッサールハイデガーフロイトの、現象学、解釈学、精神分析などよく分かっていません。ポスト構造主義と呼ばれる人々の理論も主旨を掴みにくいです。一方で、ロシアフォルマリズムや構造主義は好きです。少し脱線しますが、ロシアフォルマリズムで重要なのは「異化」で、日常言語を歪めることで住み慣れた世界を新しくするというものです。見方次第で世界はいくらでも変わるんですね。構造主義はやはり、ソシュールとレヴィストロースが有名です。言語が先立つという考え方が好きです。

 

超入門!現代文学理論講座 (ちくまプリマー新書)

超入門!現代文学理論講座 (ちくまプリマー新書)

 

 この本で最後にしたいと思います。比較的最近出版されました。上の二冊のようにガチガチの理論を紹介するというよりは、理論を使って、いままで読んだことのある物語で違う読み方をしようという主旨です。使われている作品も日本文学が多くて、読みやすいです。今まで紹介した中では一番読みやすいかと思います。超入門なので文学理論が気になったらまず手にとってみてはどうでしょうか。

 

以上の4種類の本を取り上げてみました。これらの本は入門だったり批評の歴史の流れがメインだったりするので、もっと深く知るには理論家の著書を読む必要があると思います。文学理論はマイナー分野で実用性も薄いですが、文学好きなら目を通しておきたいですね。私ももっと勉強します。